川島酒造取材記事

竹内愛幸

 

日本人が初対面の人に投げかける質問の一つに、好きな季節はいつですかという問いかけがよくある。日本は季節によって自然の様子が大きく変わる。比較的気候が穏やかな春や秋、厳しい暑さや寒さを感じる夏と冬、それぞれの季節にそれぞれの顔があるのだ。日本人は季節ごとに良さを見出し、四季に愛着を感じているから生まれた質問なのではないかと私は考える。今回は、日本人が愛した四季と自然に深く寄り添った酒蔵を紹介していきたい。

 

【発酵の町】

川島酒造は滋賀県高島市という町に位置する。付近には日本最大の湖「琵琶湖」があり、昔から発酵文化が盛んな町であった。なれずしや味噌、お酢や醤油など多くの発酵食品が現在でも生産されている、いわゆる「発酵の町」である。今回紹介する川島酒造の日本酒は発酵の町を代表する発酵食品である。

 

【川島酒造のお酒】

川島酒造は、「和醸良酒」の考えをもとに日本酒を醸造している。代表銘柄は「松の花」。「松の花」は創業時、酒蔵を建造するために伐採した古い松の木に対する忍び難い思いを込めてつけられた名前だという。その銘柄名の由来から感じ取られる優しさのとおり、「松の花 純米大吟醸」は日本酒らしい柔らかく優しい香りがふわっと香ってくる日本酒となっている。川島酒造が行う日本酒の製造方法は、冬しか醸造を行わない昔ながらの寒造りで、季節に寄り添う日本酒の醸造を行っている。

 

【自然と日本酒のかかわり】

日本の豊かな自然がおいしい日本酒を作り出し、、日本の自然に触れることで日本の良さを発見できるのであると川島さんは言う。日本の自然を感じながら、日本の自然から生み出された日本酒を海外の方に味わってもらうことで、日本酒と日本の良さを海外の方に知ってもらえるのではのだろうか。

 

【高島市から世界へ】

これからの川島酒造の目標は、昔ながらの伝統を守りながら、本質を大切にする日本酒の醸造をすること。また、ウイスキーとスピリッツの生産も開始し、「高島ウイスキー」というブランドを世界的に発信することである。

 

 

 

【まとめ】

今回、川島酒造に訪れてみて、自然のことについて久しぶりに深く考えた機会になった。

自然を大切にした川島酒造が生み出す、本質を大切にしながら、なおかつ新しいお酒の世界に早く触れてみたいと深く思った。